気候変動適応とは?

地球温暖化について― 世界が直面する異変 ―

地球温暖化

近年、強い台風やハリケーン、集中豪雨、干ばつや熱波といった異常気象による災害が世界中で発生し、多数の死者や農作物への甚大な被害が報告されています。

また、世界中の氷河が温暖化によって縮小し続けるとともに、海面上昇の進行も近年激化しており、1901~2010年は1年当たり平均で約1.7mmの上昇であったのに対し、直近の1993~2010年だけを見ると同約3.2mmとなっています。この最大の要因は海洋の熱膨張によるものです。

地球温暖化がもたらす気温や海水温の上昇は、陸上や海、淡水の生態系に影響を及ぼしています。

地球温暖化の実態― 科学は何を明らかにしたか ―

地球温暖化
【上昇し続ける世界平均気温】
2015年の陸域と海域を合わせた世界平均地上気温は、平年(1981~2010年)より0.42℃高く、統計を開始した1891年以降、最も暑い1年となりました。また、長期的には100年あたり0.71℃の割合で上昇しています。
【人間活動】
温室効果ガスの濃度以外にも、鉱物ダストや二酸化硫黄などのエーロゾル濃度、地表面の特性の変化などが気候変動に影響しており、産業革命以降の気候システムの変化、特に大気中のCO2濃度の増加には人間活動が深く関係しています。

観測された影響と将来予測― どんなリスクが迫っているのか ―

地球温暖化

最新の研究により、地球温暖化が人間の社会や自然の生態系に様々な影響を及ぼし始めていることが分かってきました。適切な対策を講じるため、予測情報を正しく理解することが大切です。

【世界で観測されている様々な影響】
ここ数十年の気候変動は、自然システムに最も強くかつ包括的に影響が現れていることが指摘されています。今後、温暖化が進むと気候変動リスクがさらに高まると考えられます。

二酸化炭素排出の現状とリスクへの適応

人間社会や自然の生態系が危機に陥らないためには、今すぐ、世界の国々が協力しあい、連携しながら、実効性の高いCO2排出削減の取組である「緩和」を行っていく必要があります。一方で、各地で表れ始めている気候変動による影響への「適応」も急務です。

地球温暖化

【温暖化への適応】
緩和を実施しても温暖化の影響が避けられない場合、その影響に対して自然や人間社会のあり方を調整していくのが適応です。
気候に関連した影響のリスクは、人間、社会及び自然システムの脆弱性(影響の受けやすさ)、曝露(リスクにさらされること)、ハザード(災害、危険な事象など)の3つが相互に作用しあうことでもたらされます。そしてこれらには、気候システムや、緩和や適応を含む人間の活動(社会経済プロセス)の変化が大きくかかわっています。
温暖化のリスクはさまざまであり、その地域に適した法制度の制定や社会システムの整備などの適応策を講じていく必要があります。また、温暖化のリスクというマイナス面ばかりを見るのではなく、プラスの面を積極的に生かすという考え方も必要です。
【日本の適応への取組】
日本においても平成27年に「気候変動の影響への適応計画」が策定されました。気候変動の影響は地域によってさまざまであるため、適応策の策定と実施においては地方自治体の役割が非常に重要です。
地球温暖化暑熱ストレスに強い鶏をつくる
もともと鳥類は汗腺を持たず全身を羽毛におおわれているため夏の暑さに弱く、採卵鶏では夏の暑さが厳しくなるにつれ、産卵率の低下や卵質の悪化、へい死数の増加が見られるようになりました。暑熱ストレスに強い鶏をつくるため、抗酸化作用の強い素材を活用し、鶏に給餌する試験を行い、鶏の産卵率や日産卵量、卵質の低下を軽減でき、生産性向上効果が期待できることが分かってきました。
地球温暖化東北で暖地作物のカンキツ類を育てる
暖地で産地化されているスダチやカボス、ユズ、ウンシュウミカンなど8種のカンキツ類を露地栽培する実証研究を行い、5種類は全体を不織布で覆うことで比較良好に越冬でき、順調に生育できることが分かりました。今後は安定的に栽培可能な栽培法の検討などを進めていきます。