カナダ初の気候変動適応センターの設置

掲載日 2023年10月18日
分野 普及啓発
地域名 海外(カナダ)

気候変動による影響

カナダは、気候変動の影響として気候の変化だけではなく、氷河の減少、永久凍土の融解、海面上昇、洪水や山火事などの影響も受けています。これらの影響は持続し、時間の経過とともに拡大するため、温室効果ガスの排出を削減し、適応を通じて気候変動への耐性を高めていく行動が必要です。

取り組み

プリンス・エドワード島大学(UPEI)、カナダ政府、プリンス・エドワード島州は合わせて1450万ドルの資金提供を行い、カナダ初の気候変動適応センター「Canadian Centre for Climate Change and Adaptation」を2022年5月に設立しました(図)。本センターは、UPEIの気候変動適応学部に付属する、気候変動の革新と適応策のための新しい知識、研究、開発が多くの学問領域の中で育まれるインターラクティブな環境を提供する最先端の研究施設です。

本センターは、プリンス・エドワード島国立公園の近くにあり、湿地や森林、沿岸などの気候変動の影響を直接受ける場所へのアクセスが良く、気候変動影響の研究に適しています。また、学生や教員のための住居やUPEI製のドローン(注)の保管・修理スペースを備えており、各研究分野の連携と統合を促進するように設計された共有エリアがあります。

本センターでは、UPEIの応用気候変動・適応科学学士課程を含む主要な学習プログラムを支援し、卒業後も気候変動の影響を緩和する重要な仕事を続けることができるように準備をしています。 2022年10月に開催した一般公開では、産業界、先住民、州政府、NGO、学術界からのゲストプレゼンターによって、プリンス・エドワード島における気候変動の課題と機会についての講演が行われました。

効果/期待される効果等

本センターは、気候変動が沿岸地域に与える影響を緩和し、住民の健康や産業を守るための解決策を発見する上で重要な役割を担っています。その貢献は、プリンス・エドワード島州の気候変動の適応と緩和だけではなく、カナダおよび世界中の気候変動の緩和と適応を支援することが期待されます。

Canadian Centre for Climate Change and Adaptation
図 Canadian Centre for Climate Change and Adaptation
(出典:UNIVERSITY of Prince Edward ISLAND「Canadian Centre for Climate Change and Adaptation」)

脚注
(注)UPEIでは、数多くのドローンを保有しており、その中には翼長4mの国内最大のドローンも含まれています。

出典・関連情報

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