「熱中症おたすけ隊」による熱中症予防に関する出前講座

掲載日 2023年8月23日
分野 健康 / 普及啓発
地域名 関東(埼玉県行田市)

気候変動による影響

埼玉県(熊谷市)では、年平均気温が100年あたり約2.17℃上昇しており(注1)、年間の最高気温および最低気温も同様に上昇傾向を示しています。このような暑熱環境の悪化によって健康影響も顕在化しており、埼玉県の熱中症による救急搬送者数は2010年以降特に増加し、2018年には6000名を超えました。

取り組み

熊谷市の隣に位置する行田市では、平成27年度より、熱中症に関する普及啓発を行う「熱中症おたすけ隊」という市民ボランティアを養成しています。この取り組みでは、市内で実施されている市民けんこう大学院や健康づくりマイスター養成講座に参加した方のうち、さらに熱中症予防対策の知識を習得した市民を「熱中症おたすけ隊」としています。また、2022年には「熱中症おたすけ隊」へ熱中症についてさらなる知識を習得してもらうため、健康づくりにおける相互応援協定を締結している大塚製薬株式会社から講師を招いて、「熱中症対策アドバイザー養成講座(注2)」を実施しました。

「熱中症おたすけ隊」は、保育園や幼稚園、いきいきサロンやシニアクラブ等に出向いて、幼児や高齢者など熱中症になりやすい方を対象とした熱中症予防に関する出前講座を実施しています(図)。

本講座は、場合によってプロジェクターやスクリーンを持ち込むなどして、バワーポイントを用い、一度の出前講座内で複数のグループが交代で熱中症予防出前講座を実施しています。グループによって、熱中症予防の替え歌、川柳、水スプレーによる発汗イメージ体験などで印象に残る熱中症予防活動を実施しています。

本取り組みは、市民・企業・行政が連携した熱中症予防啓発活動として高く評価されており、熱中症予防を推進する運動「熱中症予防声掛けプロジェクト」においても優秀賞などを受賞しています。

効果/期待される効果等

熱中症おたすけ隊が行う熱中症に関する講座によって、広く市民の方に熱中症に関する正しい知識を普及啓発することができます。一人ひとりが熱中症予防について学び、対策をすることで熱中症を予防していくことが可能になります。

熱中症おたすけ隊出前講座の案内チラシ
図 熱中症おたすけ隊出前講座の案内チラシ
(出典:行田市ウェブページ「熱中症おたすけ隊出前講座のご案内」)

脚注
(注1)統計期間:1898-2020年
(注2)熱中症対策アドバイザー養成講座とは、熱中症予防声かけプロジェクトが主催する、地域における熱中症対策のアドバイザーとして活動する際の専門的な知識を学ぶことができ、修了すると「熱中症対策アドバイザー」として認定される講座のこと。

出典・関連情報

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