農地に水を安定供給する地下ダム

掲載日 2018年12月12日
分野 水環境・水資源 / 農業・林業・水産業
地域名 九州(沖縄県)

気候変動による影響

常に水不足に悩まされてきた沖縄において、農業を営む上での水資源の確保は重要な課題です。さらに、沖縄のような島嶼部では気候変動に伴う脆弱性が極めて高く、今後、安定的に供給可能な水資源となる地下水の持続的な利用・開発が重要であるとされています。

取り組み

沖縄県では、国と県、市町村が一丸となって取り組み、世界初の本格的な地下ダムが完成しました。地下ダムは地中に水を通さない壁(止水壁)を作ることにより地下水の流れを堰き止める施設です。地中に浸み込んだ雨水は水を通しにくい粘土層にぶつかり、止水壁と粘土層に挟まれた水が大小の穴があいている琉球石灰岩の隙間にたまる仕組みとなっています(図)。

効果/期待される効果等

地下ダムは大きく2つの機能を持っています。まず、地下水をせき上げて、地下水量を増加させます。また、海岸部においては、海水の地下水への侵入を防ぎ、地下水の塩水化を防止します。地下ダム建設により、農業用水の確保と安定供給が可能となり高収益作物が栽培できるようになりました。これまでサトウキビ中心だった農業から、野菜やマンゴー、たばこなどの新しい農産物が生産されるようになりました。

地下ダムの仕組み
図 地下ダムの機能
(出典:沖縄総合事務局農林水産部「地下ダム」)
出典
内閣府沖縄総合事務局 農林水産部 農業農村整備事業 「農」を支える「地下ダムとは?」
https://www.ogb.go.jp/nousui/nns/c2/tikadamu
関連情報
平成30年度気候変動への影響への適応に向けた将来展望
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/report2018/report.html
地球温暖化と農林水産業
https://www.naro.affrc.go.jp/org/niaes/ccaff/

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