農業、森林・林業、水産業森林・林業の適応策

項目別の基本的な施策

適応山地災害、治山・林道施設

*森林・林業写真森林の有する水源の涵養、災害の防備等の公益的機能を高度に発揮させるため、保安林の配備を計画的に推進するとともに、これら保安林等において、以下の対策を実施している。

治山施設の整備や森林の整備等を推進し、山地災害を防止するとともに、これによる被害を最小限にとどめ、地域の安全性の向上を図っている。

林野庁インフラ長寿命化計画(行動計画)を策定し、治山・林道施設の適切な維持管理・更新等を図っている。

山地災害が発生する危険性の高い地区(山地災害危険地区)に係る情報の提供等を通じ、地域における避難体制の整備等と連携し、減災に向けた効果的な事業の実施を図っている。なお、事業実施に当たっては、現地の実情を踏まえ、治山施設への魚道の設置など生物多様性の保全に努めている。

水源涵養機能の維持増進を通じて良質な水の安定的な供給等に資するため、ダム上流等の重要な水源地や集落の水源となっている保安林において、浸透・保水能力の高い森林土壌を有する森林の維持・造成を図っている。

海岸防災林の整備を推進し、潮害の防備等の災害防止機能の発揮を図っている。


今後は、これまでの取組に加え、以下の対策に取り組む。

近年の集中豪雨等による山地災害の発生状況の変化に対応するため、山地災害危険地区の調査基準の見直しを行い、山地災害が発生する危険性の高い地区のより的確な把握に取り組む。

土砂の崩壊や土石流等が発生するおそれのある山地災害危険地区等においては、土砂流出防備保安林等の配備を計画的に進め、伐採・開発等に対する一定の規制措置を講じるとともに、土石流や流木の発生を想定した治山施設の整備や健全な森林の整備、それらの整備に必要な林道施設の整備を実施し、森林の持つ土砂崩壊・流出防止機能の向上を図っていく。

*山地災害写真近年の集中豪雨の発生頻度の増加を考慮した林道施設の整備を推進することにより、施設の防災機能の向上を図っていく。

無降雨日数の増加や積雪の減少、融雪の早期化が予測され、渇水の発生リスク等が懸念されていることから、地域の要請等も踏まえながら、森林の水源涵養機能が適切に発揮されるよう、流域特性に応じた森林の整備・保全、それらの整備に必要な林道施設の整備を図っていく。

海岸防災林については、地域の実情等を踏まえ、高潮や海岸侵食に対する被害軽減効果も考慮した生育基盤の造成等や、防潮堤などの機能強化等を図っていく。

新たな科学的知見や気候モデルの精度向上等も踏まえながら、山地災害危険地区の把握精度の向上、災害リスクに対応するための施設整備や森林の防災・減災機能を活用した森林管理について検討を行う。

[関係府省庁]農林水産省
適応人工林

気候変動が森林及び林業分野に与える影響についての調査・研究等により、気候変動の影響に関する情報収集を行っている。

気温上昇や乾燥などの生育環境の変化に対する造林木の適応性の評価を実施するためスギやヒノキといった主要造林樹種について産地が異なる種苗の植栽試験を広域で推進する。

気候変動がこれら造林樹種の成長や下層植生などの樹木の周辺環境に与える影響についての継続的なモニタリングと影響評価、長伐期林にもたらすリスクの評価、高温・乾燥ストレス等の気候変動に適応した品種開発に着手する。

[関係府省庁]農林水産省
適応天然林

分布適域の変化など気候変動の影響に関する情報収集に努め、影響評価を行っている。

国有林野では、原生的な森林生態系や希少な野生生物の生育・生息地を保護する「保護林」や野生生物の移動経路となる「緑の回廊」を設定しており、継続的なモニタリング調査等を通じて状況を的確に把握し、渓流と一体となった森林生態系ネットワークの形成にも努めることで、適切に保全・管理を推進する。

世界自然遺産の森林生態系における気候変動の影響について、データ収集、将来予測、脆弱性の評価等を行い適応策を検討する。また、気候変動による樹木や、下層植生などの周辺環境への影響について長期的なモニタリングを実施するための体制構築に取り組む。

[関係府省庁]農林水産省、環境省
適応病害虫

森林病害虫のまん延を防止するため、森林病害虫等防除法に基づき都道府県等と連携しながら防除を継続して行う。

気温の上昇に伴う昆虫の活動の活発化により、分布域の拡大等の恐れがあるため、気候変動による影響及び被害対策等について引き続き研究を推進するとともに、森林被害のモニタリングを継続する。

森林病害虫被害を減少させるため、マツノザイセンチュウ抵抗性品種などの病害虫に対してより強い抵抗性を有する品種を開発するとともに、抵抗性の効率的な判定手法の開発等を推進する。

[関係府省庁]農林水産省
適応特用林産物

病原菌による被害状況や感染経路の推定、害虫であるキノコバエの被害の発生状況、夏場の高温環境での収穫量への影響等のしいたけの原木栽培における気候変動による影響把握、日光を遮断する寒冷紗(かんれいしゃ)の使用によるほだ場内の温度上昇を抑える栽培手法の検討等の取組を実施している。

温暖化の進行による病原菌等の発生や収穫量等に関するデータの蓄積とともに、温暖化に適応したしいたけの栽培技術や品種等の開発・実証・普及を促進する。

[関係府省庁]農林水産省
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