農業、森林・林業、水産業森林・林業への影響

項目別の影響

影響山地災害、治山・林道施設
影響評価結果:
土石流・地すべり等 重大性:特に大きい(社/経) 緊急性:高い 確信度:中程度
高潮・高波 重大性:特に大きい(社/経) 緊急性:高い 確信度:高い
海岸浸食 重大性:特に大きい(社/経/環) 緊急性:中程度 確信度:中程度
水供給(地表水) 重大性:特に大きい(社/経) 緊急性:高い 確信度:中程度

現在の影響

現在の状況としては、過去30年程度の間で50 mm/hr以上の短時間強雨の発生頻度は増加しており、人家・集落等に影響する土砂災害の年間発生件数もそれに応じて増加しているとの報告がある。また、極端な高潮位の発生が、1970年以降全世界的に増加している可能性が指摘されている*1

  • *1IPCC第5次評価報告書第1作業部会報告書技術要約において、「極端な高潮位現象大きさは1970年以降増大している可能性が高く、この増大の大部分は平均海面水位の上昇によって説明できる。」と示されている。

影響の将来予測

土砂災害将来予測される影響としては、年最大日雨量や年最大時間雨量が現在よりも数十 %増加するという予測もあり、このように降雨条件が厳しくなるという前提の下では、集中的な崩壊・土石流等が頻発し、山地や斜面周辺地域の社会生活に与える影響が増大することが予測されている。

無降雨日数の増加や積雪量の減少により渇水が増加することが予測されている。また、融雪時期の早期化による河川流量の減少、これに伴う水の需要と供給のミスマッチが生じることも予測されている。

気候変動による海面の上昇や台風の強度の増加により、高潮や海岸侵食のリスクが高まることが指摘されている。

影響人工林
影響評価結果:
木材生産
(人工林等)
重大性:特に大きい(社/経/環) 緊急性:高い 確信度:低い
人工林 生態系への影響 重大性:特に大きい(環) 緊急性:中程度 確信度:中程度

現在の影響

木材現在の状況としては、一部の地域で気温上昇と降水パターンの変化によって、大気の乾燥化による水ストレスが増大することにより、スギ林が衰退しているという報告がある。

将来の影響

将来予測される影響としては、降水量の少ない地域でスギ人工林の生育が不適になる地域が増加する可能性があるなどの報告がある。しかし、正確な予測のためには、今後更に研究を進めていく必要があるとの指摘がされている。

影響天然林
影響評価結果:
自然林・二次林 生態系への影響 重大性:特に大きい(環) 緊急性:中程度 確信度:高い

現在の影響

現在の状況としては、気温上昇や融雪時期の早期化等による高山帯・亜高山帯の植生の衰退等が報告されている。また、気温上昇の影響により、落葉広葉樹が常緑広葉樹に置き換わった可能性が高い箇所がある。

将来の影響

将来予測される影響としては、分布領域が冷温帯の種で減少し、暖温帯の種で拡大するものがあるとの報告がある。しかし、実際の分布について、地形要因や土地利用なども影響するという予測もあるなど、不確定要素が大きいことも指摘がされている。

影響病害虫

現在の影響

現在の状況としては、気温上昇や降水量の減少により病害虫の被害地域が拡大している可能性が報告されているが、気温以外の要因も被害に影響を与えるため、現状影響に関しても慎重な検証が必要である。

将来の影響

将来予測される影響としては、気温の上昇等により、病害虫の危険度が増加し被害の拡大が懸念される等の報告があるが、被害の正確な予測のためには、今後更に研究を進めていく必要があるとの指摘がされている。

影響特用林産物
影響評価結果:
特用林産物(きのこ類等) 重大性:特に大きい(社/経/環) 緊急性:高い 確信度:低い

現在の影響

きのこ現在の状況としては、夏場の気温上昇が病原菌の発生やしいたけの子実体*1(しじつたい)の発生量の減少等との関係を指摘する報告があるが、データの蓄積が十分でなく、今後さらに研究を進める必要があるとの指摘もある。

  • *1きのこのこと

将来の影響

将来予測される影響としては、しいたけの原木栽培において、夏場の気温上昇と病原菌の発生あるいはしいたけの子実体(しじつたい)の発生量の減少との関連や冬場の気温上昇によるしいたけ原木栽培への影響については、その根拠はあきらかになっていないなどの状況にあることから、正確な予測のため更に研究を進めていく必要があるとの指摘がされている。

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