産業・経済活動産業・経済活動への影響

項目別の影響

影響産業・経済活動
影響評価結果:
製造業 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:低い 確信度:低い
エネルギー需給 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:低い 確信度:中程度

現在の影響と影響の将来予測

製造業

一部の研究例として、平均気温の上昇によって、企業の生産活動や生産設備の立地場所選定に影響を及ぼすことを示唆するものがある。

長期的に起こり得る海面上昇や極端現象の頻度や強度の増加は、生産設備等に直接的・物理的な被害を与えるとするものもある。

他方で、こうした気候変動の影響に対し、新たなビジネスチャンスの創出につながる場合もあるとの研究例もある。

エネルギー需給

極端現象の頻度や強度の増加、長期的な海面上昇によるエネルギーインフラへの影響被害に関する研究事例が少なく、これらの影響に関してコンセンサスがあるとは言えない。

商業

気候変動による将来影響を評価している研究事例は乏しく、影響は現時点では評価できない。

建設業については、気候変動による極端現象の頻度や強度の増加、気温の上昇、洪水や高潮等によるインフラ等への被害等が建設業に影響を及ぼすことが想定される。他方、建設業への影響に関する具体的な研究事例は限定的であり、現状では評価できない。

医療

気候変動による気温の上昇、災害リスクの増加、渇水の増加が、医療に影響を及ぼすことが想定される。他方、医療産業への影響に関する具体的な研究事例は確認できておらず、現状では評価できない。

影響金融・保険
影響評価結果:
金融・保険 重大性:特に大きい 緊急性:中程度 確信度:中程度

現在の影響

1980年からの約30年間の自然災害とそれに伴う保険損害の推移からは、近年の傾向として、保険損害が著しく増加し、恒常的に被害が出る確率が高まっていることが確認されている。

保険会社では、従来のリスク定量化の手法だけでは将来予測が難しくなっており、今後の気候変動の影響を考慮したリスクヘッジ・分散の新たな手法の開発を必要としているとの報告もなされている。

影響の将来予測

自然災害とそれに伴う保険損害が増加し、保険金支払額の増加、再保険料の増加が予測されている。ただし、現時点では、日本に関する研究事例は限定的にしか確認できていない。

影響観光業
影響評価結果:
観光業 重大性:特に大きい 緊急性:中程度 確信度:高い

影響の将来予測

気候変動の影響は風水害による旅行者への影響など、観光分野においても生じうる。

気温の上昇、降雨量・降雪量や降水の時空間分布の変化、海面の上昇は、自然資源(森林、雪山、砂浜、干潟等)を活用したレジャーへ影響を及ぼす可能性があるが、現時点で研究事例は限定的にしか確認できていない。気温の上昇によるスキー場における積雪深の減少の報告事例が確認されている。

A1Bシナリオ(1980~1999年平均を基準とした長期(2090~2099年)の変化量が1.7~4.4 °C(最良推定値2.8 °C))を用いた予測では、2050年頃には、夏季は気温の上昇等により観光快適度が低下するが、春季や秋~冬季は観光快適度が上昇するという予測がある。

A2シナリオ(1980~1999年平均を基準とした長期(2090~2099年)の変化量が2.0~5.4 °C(最良推定値3.4 °C))を用いた予測では、降雪量及び最深積雪が、2031~2050年には北海道と本州の内陸の一部地域を除いて減少することで、ほとんどのスキー場において積雪深が減少すると予測されている。

海面上昇により砂浜が減少することで、海岸部のレジャーに影響を与えると予測されている。

影響その他の影響(海外影響等)
影響評価結果:
その他の影響 重大性:現状では評価できない 緊急性:現状では評価できない 確信度:低い

影響の将来予測

英国での検討事例等を踏まえると、エネルギーの輸入価格の変動、海外における企業の生産拠点への直接的・物理的な影響、海外における感染症媒介者の増加に伴う移住・旅行等を通じた感染症拡大への影響等が日本においても懸念される。

IPCC第5次評価報告書では、北極域の海氷面積は減少し続けていること、21世紀の間、世界平均地上気温の上昇とともに、北極域の海氷面積が縮小し、厚さが薄くなり続ける可能性が非常に高いことが示されている。

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