水環境・水資源水環境・水資源への影響

項目別の影響

影響水環境
影響評価結果:
湖沼・ダム湖 重大性:特に大きい(社/経/環) 緊急性:中程度 確信度:中程度
河川 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:低い 確信度:低い
沿岸域及び閉鎖性海域 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:中程度 確信度:低い

現在の影響

*写真:水環境気候変動によって、水温の変化、水質の変化、流域からの栄養塩類等の流出特性の変化が生じることが想定される。

全国の公共用水域(河川・湖沼・海域)の過去約30年間(1981~2007年度)の水温変化を調べたところ、4,477観測点のうち、夏季は72 %、冬季は82 %で水温の上昇傾向がある。

また、水温の上昇に伴う水質の変化が指摘されている。

影響の将来予測

湖沼・ダム湖

湖沼・ダム湖については、A1Bシナリオ(1980~1999年平均を基準とした長期(2090~2099年)の変化量が1.7~4.4°C(最良推定値2.8°C))を用いた予測では、琵琶湖は2030年代には水温の上昇に伴うDO(溶存酸素)の低下、水質の悪化が予測されている。

同じくA1Bシナリオ(1980~1999年平均を基準とした長期(2090~2099年)の変化量が1.7~4.4 °C(最良推定値2.8 °C))を用いた研究で、国内37の多目的ダムのうち、富栄養湖に分類されるダムが2080~2099年では21ダムまで増加し、特に東日本での増加数が多くなるとする予測も確認されている。

河川

河川については、温暖化による降水量の増加は、土砂の流出量を増加させ、河川水中の濁度の上昇をもたらす可能性がある。

日本全国で浮遊砂量が増加することや台風のような異常気象の増加により9月に最も浮遊砂量が増加すること、8月の降水量が増加すると河川流量が変化し、土砂生産量が増加することなどが予測されている。

水温の上昇によるDO(溶存酸素)の低下、溶存酸素消費を伴った微生物による有機物分解反応や硝化反応の促進、藻類の増加による異臭味の増加等も予測されている。

沿岸域及び閉鎖性海域

沿岸域及び閉鎖性海域については、全国207地点の表層海水温データ(1970年代~2010年代)を解析した結果、132地点で有意な上昇傾向(平均:0.039 °C/年、最小:0.001 °C/年~最大:0.104 °C/年)が報告されている。なお、この上昇傾向が見られた地点には、人為的な影響を受けた測定点が含まれていることに留意が必要である。沖縄島沿岸域では、有意な水温上昇あるいは下降傾向は認められなかったとの研究報告もある。

現時点で定量的に予測をした研究事例は確認できていないものの、海面上昇に伴い、沿岸域の塩水遡上域の拡大が想定される。

影響水資源
影響評価結果:
水供給(地表水) 重大性:特に大きい(社/経) 緊急性:高い 確信度:中程度
水供給(地下水) 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:中程度 確信度:低い
水需要 重大性:「特に大きい」とは言えない 緊急性:中程度 確信度:中程度

現在の影響・影響の将来予測

写真時間雨量50mmを超える短時間強雨や総雨量が数百mmから千mmを超えるような大雨が発生する一方で、年間の降水の日数は逆に減少しており、毎年のように取水が制限される渇水が生じている。

将来においても無降水日数の増加や積雪量の減少による渇水の増加が予測されており、地球温暖化に伴う気候変動により、渇水が頻発化、長期化、深刻化し、さらなる渇水被害が発生することが懸念されている。

農業分野では、高温による水稲の品質低下等への対応として、田植え時期や用水管理の変更等、水資源の利用方法に影響が見られる。また、気温の上昇によって農業用水の需要に影響を与えることが予測されている。

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