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掲載日:2018年2月16日/更新日:2018年12月11日

AGC株式会社

イオン交換膜による安心・安全な水の確保

世界各地において、干ばつなどの気象現象による水不足や地下水の塩分濃度の上昇等、水をめぐる環境の悪化が深刻化している。同時に、良質な水を確保するために、周辺環境への排水規制が強化されてきている。イオン交換膜を活用した水浄化システムを導入し、水の浄化・脱塩などを行い、農業用水や飲料水として適した水を安定的に供給し、周辺環境及び人々の保健・衛生事情の改善に貢献することが可能となる。

会社概要

1907年創業のガラスメーカー。ガラス、電子、化学品、セラミックスの4つの事業領域でグローバルに事業活動を展開。フロート板ガラス、自動車ガラス、ステッパレンズ用石英素材、フッ素樹脂において世界最大のシェアを誇る。「Look Beyond」というグループビジョンを掲げ、全ての事業・社会活動を通じて「より良い地球・社会の実現」に貢献することを目指しており、省エネ・創エネ製品の開発・供給に積極的に取り組んでいる。MSCI Global Sustainability Indexes, FTSE4Good Index Series等複数のSRIインデックスの組入れ銘柄に選定されている。

適応に関する取り組み

【製品・技術】

電気透析浄化システム:
AGCが開発したイオン交換膜「セレミオン」と電気の働きで、水に溶けているイオン性物質を分離し、脱塩することにより、生活用途に適した安心な農業用水や飲料水を確保することができる。

システムの特徴は下記のとおり:

  • 省資源:軟水装置に使用されるイオン交換樹脂は使用の過程で硬度成分が吸着して性能が落ちるため必要となる硬度成分を取り除く再生操作が、本システムでは不要となるため、薬剤の使用量を大幅に削減できる。
  • 省エネ:従来のRO(逆浸透膜)プロセス等と比べて、水利用率が高く、高圧ポンプが不要なため消費電力が少ない。
  • 不安定な電力事情に対応:直流電流を駆動力としており、太陽光パネルシステムの採用により、安定した電力源の確保が難しい場所でも設置が可能である。

【活動内容】

1990年代後半、井戸水の塩分濃度がWHO基準値より高く問題を抱えていたイスラエルの公共団体から引き合いがあり、10箇所以上に導入した。その後、排水規制が強化された中国でのニーズが高まり、中国ではゼロ排水(Zero Liquid Discharge: ZLD)設備とセットで、産業施設における浄水及び硫酸ナトリウム等の有価物の回収を行っている。現在は、干ばつによる水不足及び地下水汚染が悪化しているインドにおいて事業展開を図っている。
AGCは、システムの心臓部にあたる電気透析槽の設計を行い、コア技術であるイオン交換膜を輸出する。提携先である現地エンジニアリング企業が周辺ユニットを製作し、システムとして、顧客となる政府機関や民間企業に納入している。

【成功の要因・さらなる展開に向けた課題】

現地の事情や法制度など、ニーズに合わせたシステム構築により、現地に受け入れられる製品を提供している。また、現地生産の比率の向上、中国で実施している有価物の回収によるバリューチェーンの構築等を通して、コスト効率を図っており、今後の展開においてもコスト競争力の強化が重要である。

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