局所的気象観測ソリューションの提供による安全安心な社会の実現

古野電気株式会社

業種:製造業
更新日 2021年6月15日
掲載日 2018年10月2日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

古野電気株式会社ロゴ

古野電気は魚群探知機や船舶レーダーなどを取り扱う船舶用電子機器総合メーカーである。舶用機器で培ってきた技術を駆使し、気象レーダーや地盤変位計測システムなどの防災監視ソリューション、骨密度測定装置や生化学自動分析装置などの医療機器、GPSチップ&モジュールやETCまで、幅広い製品やサービスをご提供する。

気候変動による影響

気候変動の影響により、ゲリラ豪雨に代表される短時間局所的な気象災害が、世界各地で頻発・極端化している。都市型浸水、河川氾濫、土砂災害などが、人命やインフラ、産業へ与える被害が深刻化しており、その経済的被害も増大している。

適応に関する取り組み

気候変動の影響により、頻発化・極端化する気象災害による被害など世界的な異常気象の問題が問われる中で、河川氾濫、都市部浸水や地すべり等の突然の災害から命や財産を守ることが社会にとって急務となっている。古野電気は、安全安心な社会の実現に供する局所的気象観測ソリューションを提供する。

古野電気が提供する世界最小・最軽量級の小型X帯ドップラー気象レーダーは、これまでに設置が困難とされてきた街中の既存建物や山間部への設置を可能にし、従来の衛星観測や大型気象レーダーでは難しかった低高度および山間部や島しょの降水観測や高精度のリアルタイム降水観測を実現する。また、固体化(半導体)素子の採用により、消費電力の削減と部品交換の頻度を減らしたため、環境に優しく、ランニングコストの削減を実現。さらに、多彩な信号処理が可能となり、より高精度の降水を観測することができる。

あわせて、自治体や民間企業でも導入しやすいコストダウンを実現したことで、複数レーダーからなる冗長性および信頼性の高いマルチレーダーシステムの構築や社会インフラに限らずさまざまな市場でも活用フィールドを大きく広げてきている。

効果/期待される効果等

古野電気の小型Xバンド気象レーダーは、設置場所を選ばない高い設置性から、従来レーダーでは設置・観測の難しかった都市部においても局所的な気象変化を正確かつ早期に検知することができる。また、低コスト、低電力消費量による設計で、これまで気象レーダーの導入が難しかった途上国、地方自治体においても導入を可能にした。これにより、気候変動の影響により増加傾向にある豪雨災害で失われる人命やインフラ、産業への被害軽減が期待される。

図 小型X帯ドップラー気象レーダーの設置の流れ
図1 今後期待される小型X帯ドップラー気象レーダーの活用フィールド
図 小型X帯ドップラー気象レーダーの活用フィールド
図2 小型X帯ドップラー気象レーダーの設置の流れ(一例)

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