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掲載日:2018年5月9日

日揮株式会社

北極海航路の先駆的活用によるセンシティブな建設資材の輸送期間短縮

企業概要

日揮(英名:JGC CORPORATION)は、1928年の設立以来、世界各地で石油、天然ガス、石油化学、LNGプラントなどのオイル&ガス分野を中心に、発電プラント、非鉄金属プラントなどのエネルギーインフラ分野、産業インフラ分野や、医薬品工場、病院、環境施設などの社会インフラ分野に至る幅広い分野でプラント・施設を建設。世界でも屈指のエンジニアリングコントラクターとして評価されている。

適応に関する取組

気候変動による平均気温の上昇に伴い、北極海では毎年夏場の海氷面積が減少してきており、新たな海上輸送路として、北極海航路の活用が注目されている。現在、日揮が遂行しているロシア・ヤマルLNGプロジェクト(建設地:北極圏ヤマル半島)では、東南アジアで製作されたプラントモジュール等の建設資材を、ベーリング海峡経由の北極海航路を最大限利用して輸送し、輸送期間を大幅に短縮(*1)させることで、以下の評価を得た。

【モジュール輸送における航海単独での評価】

  • 燃料消費量の軽減
  • アデン湾等での海賊リスクの軽減
  • スエズ運河通航費用の削減

【プロジェクトとしての評価】

  • プラント完成までの納期短縮への寄与
  • 海上環境への暴露期間を短縮(船体搖動による資材へのダメージ、金属疲労や発錆への影響減)
  • 熱帯地域を避けることでのモジュール機材保蔵状態の改善(温度&湿度管理)

(*1)中国北部のモジュール製作現場からプラント建設現場までのモジュール輸送平均所要航海日数:ベーリング海峡経由 27日/スエズ運河経由 53日

 

北極海航路の航行には、IMO(国際海事機関)条約の他、ロシア国内法の制限が適用され、適切な証書を持つ船舶の利用(ハード面での条件)や陸上での運航管理および船員の習熟(ソフト面での条件)などの複雑な諸条件を満たす必要がある。また、北極海域における気象・海象の常時観測や航路上の海氷予測等、多くの技術的課題を克服するために、Fleet Operation Centerを設置し、気象会社や海運会社からの情報を駆使してプラント資機材の輸送船団・スケジュール・輸送環境などを集中管理するシステムを確立した。これにより、北極海航路の利用を実用化してプロジェクトの成功に寄与したのみならず、プラント完成後の製品となるLNGの北極海航路による輸出に道を拓き、クリーンエネルギーの安定供給に貢献している。

  • モジュール輸送航路と日数/アイスクラス モジュール輸送船

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