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掲載日:2018年2月16日

株式会社九電工

環境変化に強いハイブリッド発電制御システムの導入

離島等の地域では、送電網で送電できないため主にディーゼル発電機で地域グリッドを構成しており安定的な電力供給が出来ず、常に電力需給が逼迫している状況にある。更に、離島は地形的に自然災害に対する脆弱性が高いケースが多く、様々な気象条件に耐えうる電力システムを構築することが必要である。
九電工が有するハイブリッド発電制御システムは、太陽光発電の不安定な電力を自律的に安定したうえで電力供給を行うオングリッド型システムであり、エネルギー管理システム(EMS)による再生可能エネルギーの最適な電力制御を通じて気象やその他環境の急激な変動への対応も可能とする。

会社概要

1944年創立。1964年には同業他社に先駆け、空調管設備工事に進出したことを皮切りに、環境・情報通信・リニューアルなど、これまで経営多角化を積極的に推進。エコ事業を配電・電気・空調に続く、第4の事業の柱と捉え、従来の風力や太陽光発電事業を推進するほか、自社の省エネ技術を結集した事業を展開。
2015年7月にハウステンボス・技術センターと長崎県佐世保市のハウステンボス別荘エリア内において太陽光と風力を用いた発電システムを建設し、効率的なエネルギー需給を制御するEMSを開発。2016年2月より九州電力送電線を切り離し、別荘地エリア内で発生する電力負荷の一部を当該システムにより再生可能エネルギーの安定電力で賄っている。

適応に関する取り組み

【製品・技術】

再生可能エネルギー発電と蓄電技術を遠隔制御するEMSを導入し、自律的に一定時間・一定量の電力安定供給を行う。また、発電量や気象データを蓄積し、O&M(運用・保守)の手法も確立する。蓄電システムには、鉛蓄電池を採用。鉛蓄電池はコストが安い反面、リチウムイオン蓄電池と比べて寿命が半分以下と短いが、蓄電池の充放電を制御することにより寿命を2倍以上に延ばすことが可能な鉛蓄電池制御システムを開発。

【活動内容】

スンバ島西部では、インドネシアの技術評価応用庁(BPPT)が、太陽光発電設備、レドックス フロー蓄電池、非常用ディーゼル発電機で構成されるハイブリッド発電施設の実証試験を行っていた。しかし、発電・蓄電が正常に稼働せず、マイクログリッドへの安定した電力供給が十分出来ていない状態にあった。2015年10月にBPPT関係者が ハウステンボス・技術センターと九電工が構築した再生可能エネルギー主体のマイクログリッドを視察し、インドネシアへの技術導入を要望した。
また、2016年7月に平成28年度環境省事業「途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業」に採択された。
将来的には、現地拠点を設立し、電力公社等からの受注により設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)を手がけるEPC事業を展開する事業戦略をたてている。

【成功の要因・さらなる展開に向けた課題】

長期間にわたる現地政府機関との緊密な連携のもと、現地の環境及び仕様に合わせたシステム開発及びコストの低減を経て、導入に至った。
今後は離島等のディーゼルグリッド600箇所へのオングリッド型ハイブリッド発電制御システムを逐次導入していくため、BPPTを介してSNI(Indonesian National Standard)の認証を得るとともに、主管するエネルギー鉱物資源省に導入計画の働き掛けを行う。また、インドネシア他島での再生可能エネルギー主体のオフグリッド型発電制御システム事業の展開を視野に入れ、無電化地域や特定用途向けの独立電源に対応したシステムの導入も目指す。

  • インドネシア・スンバ島マイクログリッド施設概要インドネシア・スンバ島マイクログリッド施設概要
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