適応ビジネス事例適応ビジネス
掲載日:2017年3月21日

日本電気株式会社

洪水・土砂崩れ・地震など様々な自然災害を対象とした総合リスク管理システム(洪水モジュール)

気候変動による気温上昇が引き起こす海面水位の上昇によって、蒸発散量が増加し、豪雨の発生頻度が増加するとされている。それにより、洪水の増加や土砂災害の激化といった水関連災害が増え、河川流域や沿岸部の居住地や農業、ビジネスなどに大きな損害がもたらされる。NECは、タイで頻発する洪水への対策の一環として、国家災害警報センター(NDWC)と共同で、同社の洪水シミュレーションシステムの有効性を北部において実証した。こうしたシステムの活用により、洪水による浸水区域・最大浸水高の予測が可能となる。危険地域に対する洪水発生前警報の発出を通じて被害の軽減に貢献することが、気象観測および監視・早期警戒分野の適応策となる。

企業概要

1899年、ウェスタン・エレクトリック社との合弁会社として創業。日本初の外資系企業となった。社会ソリューション事業に注力する中、ビッグデータをはじめとする最新のICT技術を用いた社会インフラの劣化診断や老朽対策・防災力強化を推進している。今後もタイでの洪水や土砂崩れを対象とした防災ICTの普及に貢献するとともに、経験・ノウハウを活かし、他のアジア諸国での本システムの提案に取り組んでいく。

適応に関する取組

洪水等による被害の軽減に貢献する

【製品・技術】

本システムは、洪水・土砂崩れ・地震など様々な自然災害を対象としたNECの「総合リスク管理システム」の洪水災害モジュールである。総合管理システムは、データ統合・視覚化・早期警報などの機能を有するリスク管理共通プラットフォームと、各災害に特化した機能を有する災害モジュールで構成されており、必要な災害モジュール・機能を選択して使用することや、いくつかの災害モジュールを組み合わせて複数の災害を同時予測することも可能となっている。

洪水シミュレーションシステムの特長は次の通り。

  • 気象データ(観測雨量・予測雨量)、地形データ(最高値、土地利用用途)、河川データ(河川網、水位、下水道網など)を基にシミュレーションを行い、洪水による浸水区域・最大浸水高を予測。
  • 50m程度の三角形メッシュでの詳細なシミュレーションが可能。また、最大7日先までの1時間ごとのシミュレーションが可能なため、洪水発生前に危険地域に警報を発出することで被害の軽減に貢献。
  • 平時においても過去の雨量データを用いたシミュレーションにより洪水に危険エリアを把握可能であり、ハザードマップの作成に有効。

【活動内容】

2015年11月から2016年3月まで、タイ北部ウッタラディット県において、本システムを活用した浸水区域を予測する実証実験を実施。タイの国家災害警報センター(NDWC)にとって、防災ICTにおける初の日・タイ協力プロジェクトであり、総務省から受託した「タイにおける洪水シミュレータの展開に向けた調査研究」の一環として、在タイ日本国大使館とも協力しながら実施した。

  • リアルタイムシミュレーションリアルタイムシミュレーション
  • アラート機能アラート機能

『経済産業省「平成28年度途上国における適応分野の我が国企業の貢献可視化事業」より作成』

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