適応ビジネス事例適応ビジネス
掲載日:2018年2月16日

オプテックス株式会社/富士通株式会社

誰でも使える水質計測キットで水害による被害を抑制

異常気象の増加により多発する洪水は、下水・排水インフラが不十分な地域の河川の氾濫や冠水を招き、農作物への被害や汚染された水による感染症等の健康被害を招いている。また鉱業が盛んな地域では、多雨により鉱山から流出した重金属の拡散が問題になっている。
オプテックスが開発した「WATER it」は操作が簡単で誰にでも使用することができ、加えて富士通のクラウドサーバー「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」を活用することにより、各エリアで採取した水質データが自動で収集され、簡単かつ迅速に測定情報を管理・分析することができる。これにより、河川等の変化をいち早く把握することができ、想定される被害に対策を講じることが可能となる。

会社概要

オプテックス株式会社:1979年設立。1980年に世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発して以降、ニッチ分野で独自性の高い製品やサービスを提供し、セキュリティ分野、ファクトリーオートメーション分野など多岐にわたるセンシング事業を展開している。また水質調査、ビルオートメーション、災害避難場所向け照明等、各種センサを通じた環境・防災製品を提供している。

富士通株式会社:1935年設立。ICT分野において、各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクト及び電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを展開している。ICTを活用し自らの「脱炭素化」にいち早く取り組み、それにより得たノウハウと自社のデジタルテクノロジーを顧客・社会に提供することにより、気候変動の緩和と適応に貢献することを目指している。

適応に関する取り組み

【製品・技術】

WATER it(ウォーター イット):
専用試薬に反応させた水をポータブルタイプの水質計測センサー機器にセットすることにより、水に含まれる物質の含有量がデジタルで測定される。また、これらのデータを富士通のクラウドサーバー「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」に自動的にアップロードすることで、遠隔地からも、各測定エリアの水質の状態をすぐに閲覧・管理することが可能となる。

【活動内容】

従来は目視で確認していたものをデジタル化し、 2015年よりオプテックス・富士通提携のもとデータ化を始めた。2016年1月より中国において試験運用を開始。その後、連携する日系企業の動向に合わせて東南アジアでの展開を開始。2016年度、ベトナムを対象に独立行政法人国際協力機構(JICA)中小企業海外展開支援事業・案件化調査「流域水環境管理能力向上のための簡易水質計測キットとデータ収集自動化技術の導入案件化調査」を実施。
現地の代理店を通し、公的機関を中心にシステムソリューションを提供している。

【成功の要因・さらなる展開に向けた課題】

従来の水質測定では水を分析センターに持ち帰って測定するため労力・時間がかかり、広範囲のデータを収集することが困難であった。人件費・設備等にコストをかけることが難しい途上国において、 WATER itは測定もデータ分析も簡単かつ即座に実施することができるため、途上国のニーズに合致した。今後も政府系機関、教育機関、地域住民等への啓蒙活動を幅広く展開し、水質管理が必要な民間企業への導入にも働きかけていく。

  • WATER itのシステム構成WATER itのシステム構成
  • 河川での計測の様子河川での計測の様子
  • 学校教育での活用学校教育での活用
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