適応ビジネス事例適応ビジネス
掲載日:2018年2月16日

積水化学工業株式会社

雨水貯留システムによる水害被害の抑制及び水不足の解消

気候変動がもたらす干ばつによる水不足は、農業生産量への被害を深刻化させる。また、異常気象の増加は洪水被害をもたらす。積水化学工業の子会社である積水テクノ成型株式会社が展開する雨水貯留システム「クロスウェーブ」は、雨水を貯水槽に貯めることにより、少雨の際は安定的な水の供給、また豪雨の際は洪水の防止に貢献する。

会社概要

1947年に創業の大手樹脂メーカー。セロハンテープやポリバケツなどの身近な日用品から、官民のインフラを支える管工機材、エレクトロニクスや輸送用機器向けの高機能材料、メディカル関連製品、及び画期的なユニット住宅の「セキスイハイム」を取り扱い、業容を拡大している。際立つ技術と品質により「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティア開拓を通じた世界のひとびとのくらしと地球環境の向上への貢献をグループビジョンとしてて掲げており、またSEKISUI環境サステナブルビジョンに基づき、事業の中心としての環境貢献を進めている。

適応に関する取り組み

【製品・技術】

クロスウェーブ:
豪雨時に下水や河川に流れ込む雨水の量を制御し、雨水の再利用を可能にする雨水貯留システム。雨水を地下の貯水槽に貯め、再利用または流出抑制するプラスチック製貯留材を使用。

コンクリート式貯水槽に比べると、下記のようなメリットがある。

  • 短工期、低コストで施工可能
  • 再生プラスチックを使用するため、製品のライフサイクルでのCO2排出量低減に貢献
  • 耐荷重設計により、設置後の地面を駐車場等に利用可能。地盤沈下抑制効果も発揮
  • 高い空隙率で、地下に水の空間を生み出し、雨水の流出抑制と有効利用に貢献。ゲリラ豪雨対策として、敷地に降った雨を一時貯留して徐々に排水することにより、氾濫を防ぐ。貯めた雨水は、公園散水やトイレ洗浄水等に使用可能。

【活動内容】

インドでは、慢性的な水不足により、工場建設の際には雨水を貯留する設備の設置が義務化されている等の背景から、2010年に海外での販売を開始し、2017年現在国内外で8000件以上の実績を有する。一般的には工場敷地内での溜池造成が多いものの、駐車場などの地下への設置が可能なクロスウェーブが、多くの施主のニーズにマッチしている。他に、「海綿都市政策」により、都市緑化及び防災を目的に雨水を地中に吸収して循環利用できる都市を進める中国や、台風による洪水被害が深刻な台湾での実績がある。ベトナムにも展開を図っている。
各国において、積水化学グループの現地法人が、現地コンサルティング企業等との提携の上、事業推進を図り、代理店を通じて販売している。インドでは現地生産、他の国では日本から輸出している。

【成功の要因・さらなる展開に向けた課題】

インド及び中国では、規準作りの段階から現地政府と密接に連携し、採用が実現している。現地事情に詳しい コンサルティング会社と協業し、現地政府との関係構築を図っている。製品の特性に由来する強度、工事やメンテナンスの容易性も、各国で受け入れられた要因と考えられる。
更なる実績の拡大に向けて、現地生産の拡大、高品質の製品の導入を確実にする基準や性能評価手法の整備が今後の課題である。

  • クロスウェーブクロスウェーブ
  • クロスウェーブ設置の様子クロスウェーブ設置の様子
自社関連サイト
PageTop