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掲載日:2016年12月2日/更新日:2019年7月23日

SOMPOホールディングスグループ

東南アジアにおける農家向け天候インデックス保険

グループ概要

SOMPOホールディングスグループは、国内外の損害保険事業を中心に、生命保険事業、介護・ヘルスケア事業など、さまざまな事業を展開している。

気候変動による影響

東南アジアは、もともと台風や干ばつなどの影響を受けやすい地域であることに加え、気候変動の影響によって、今後自然災害の頻度や大きさが増す恐れがある。自然災害は農家にとって作物の不作凶作を招く脅威であり、特に経済基盤の脆弱な発展途上国における不作凶作は、農家の生活やその地域経済を脅かす。

取り組み

東南アジアにおいて、SOMPOホールディングスグループは、農業経営リスクの軽減を目的とした「天候インデックス保険」を提供している。「天候インデックス保険」とは、気温、風量、降水量などの天候指標が、事前に定めた一定条件を満たした場合に定額の保険金を支払う保険商品である。天候指標における条件が満たされれば、実損が無くとも支払われるため、通常の農業保険等よりも迅速な支払いが可能である。

タイにおいて、株式会社国際協力銀行(JBIC)などとともに気候変動に対応するリスクファイナンス手法の研究を進め、2010年よりタイ東北部において稲作農家の干ばつ被害の軽減を目的とした「天候インデックス保険」の提供を開始した。あらかじめ定めた期間の降雨量が一定以下だった場合に保険金が支払われる仕組みである。タイ農業協同組合銀行(BAAC)と協働し、BAACがローン契約者である農家に対して保険加入の募集を行うことで安心して加入できるスキームを構築した。さらに、主要海外事業会社であるSOMPO International Holdings Ltd.(SIH)が立ち上げた統合プラットフォームである「AgriSompo」を通じて技術提供を受けることにより、人工衛星データを活用したロンガン農家向けの干ばつリスクに対応した「天候インデックス保険」を開発し、2019年2月に販売を開始した。(図1)

ミャンマーにおいては、中央乾燥地帯の米農家とゴマ農家を対象に、干ばつリスクに対応した「天候インデックス保険」を一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)と共同で開発した。この保険では、地球観測衛星から推定された雨量データを活用している。また、2018年12月より、当グループはMyanma Insurance(ミャンマインシュランス)社および主に農業従事者向け融資を行う Myanma Agricultural Development Bank(MADB)とともに、ミャンマーにおける「天候インデックス保険」のパイロットプロジェクトを開始した。(図2)

フィリピンにおいては、農業生産者を対象に、台風の中心が対象エリアを通過した際に一定の保険金が支払われる「台風ガード保険」を開発した。

インドネシアにおいては、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を受けながら「天候インデックス保険」の開発を開始した。

  • タイでの取組み図1 タイでの取り組みの様子
  • ミャンマーでの取組み図2 ミャンマーでの取り組みの様子

効果/期待される効果等

  • BCtAのロゴ
  • 図3 BCtAのマーク

不作を招くような天候下では、農家は保険金を収入とすることができるため、「天候インデックス保険」への加入によって農業経営リスクを軽減することができる。当保険によって、農家や地域の気候リスクに伴う経済的脆弱性の軽減が期待される。

このような取り組みは、2015年に国連開発計画(UNDP)などが主導する、商業活動と持続可能な開発を両立するビジネスモデルの構築を促進する「ビジネス行動要請(BCtA)」に応える取り組みに認定された。(図3)これは日本の金融機関として初、世界の損害保険会社として初めての認定であった。また、2016年には環境省「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」の定時総会において、環境大臣賞を受賞。さらに、ミャンマーでの取組みは、第2回宇宙開発利用大賞で内閣府特命担当大臣(宇宙政策)賞を受賞した。

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