適応ビジネス事例適応ビジネス
掲載日:2017年3月21日

大成建設株式会社

インフラ強靭化により高潮、津波の被害を低減

海抜が低い島嶼国は、高潮災害に脆弱であり、また地球温暖化による海面上昇問題により、水没の危機に直面している。このような脆弱な地域で、大成建設は自然への影響を抑えた強固な護岸工事を行っている。防災機能の強化に加え、社会経済の基盤及び島民の生命・財産の安全の確保にも貢献している。強固な護岸を建設することは、インフラにおける適応策となる。

企業概要

創業1873年、スーパーゼネコン5社の一角をなす。超高層ビルや空港、ダム、橋梁、トンネルなど大規模な建築土木建設工事を得意とする。早くから海外にも進出し、技術力とグループ力に強みを持つ。ドバイ沖合に造られた人工島の「パームアイランド」の海底トンネル工事においては、斬新な提案が評価され、欧米の競合を退けて受注に至り、また同社が実施した環境対策(工事の影響を受ける魚を一旦捕獲し放流する活動、海草藻場の再生事業など)は地元でも高い評価を受けた。

適応に関する取組

高潮や海面上昇の脅威から住民を守る

【製品・技術】

  • 石や消波ブロックを積み上げて建設する捨石式傾斜埋立護岸。
  • コンクリートのブロックやケーソン(防波堤などの水中構造物や地下構造物を構築する際に用いられるコンクリート製または鋼製の大型の箱)を用いた直立壁護岸、他。

モルディブ政府が整備した従来工法による護岸は、珊瑚塊を積み上げ、表層をモルタルで仕上げたものであり、波圧により崩壊しやすいものであった。このことから、上記のような技術を適用し、長期間使用できる堅固な護岸を建設し、防災機能の強化と護岸の維持管理費の低減を図った。

【活動内容】

モルディブの首都マレ島は地盤が平坦で、平均海抜が約1.5mと低いため、高潮の被害が続発していた。特に1987年と1988年の異常高潮では、既設の海岸護岸施設や家屋に600万ドル規模の被害があり、首都機能が麻痺。また、地球温暖化による海面上昇問題で水没の危機にも見舞われている。日本政府は無償資金協力により護岸建設を支援。大成建設は、1987年マレ島南岸の消波堤工事に着手し、その後マレ島周囲約6㎞にわたり堅固な護岸の整備を実施した。モルディブでは、建設資材の多くを輸入に頼らざるを得ないため、コンクリート骨材を含めマレーシア、シンガポールなど近隣諸国から運搬し、工事用水や作業員の生活用水には海水脱塩装置により塩分を除去した海水を利用した。自然への悪影響を極力回避するため、コーラルストーンの採掘は行わないなどの配慮も行った。その結果、2004年12月のスマトラ沖大地震ではマレ島の人的被害はゼロで、物的損害も大幅に軽減され、人命と首都機能の保全に大きな成果をもたらした。

  • 工事初期段階のマレ島の鳥瞰図工事初期段階のマレ島の鳥瞰図
  • 護岸のイメージ護岸のイメージ
自社関連サイト

『経済産業省「平成28年度途上国における適応分野の我が国企業の貢献可視化事業」より作成』

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