環境センシングによる熱中症・感染症予防サービス「Around Now!(アラウンドナウ)」

NSW株式会社

業種:情報通信業
掲載日 2022年2月22日
適応分野 健康

会社概要

NSW株式会社ロゴ

NSW株式会社は、製造や流通など業種対応のシステム構築、ITインフラ設計・運用、自社データセンターを基盤としたクラウドサービスなどをワンストップで提供している。また、車載や通信・設備分野における組込みシステム開発とLSIやボードの設計開発も手掛けている。これらの実績を生かしたIoT・AI分野に注力し、IoTプラットフォーム「Toami」を軸とした各ソリューションやサービス提供により、DX・デジタル変革実現を先導する企業を目指している。

気候変動による影響

気候変動の影響等もあり熱中症による救急搬送人員数や死亡者数は増加しており、2020年の6月〜9月には6万4869人が熱中症により搬送された。
熱中症は屋内・屋外関係なくだれでも発症する可能性があり、その予防には暑さ指数(WBGT)(注)を基準とした対策が有効である。このため、活動する環境のWBGTを把握し、数値にもとづく熱中症対策を実施することで予防につながる。

適応に関する取り組み

当社は、注力しているIoTサービスにおいて、WBGTやCO2、温度、湿度、照度など環境データを計測する各種センサーを設置し、計測データを可視化する熱中症・感染症予防サービス「Around Now!(アラウンドナウ)」の提供を2021年2月に開始した。
測定結果は、各センサーからIoTゲートウェイへはBLE通信、ゲートウェイからクラウドまではLTE通信を使用し(図1)、モニタリング画面において各センサーからの値と、夏季は熱中症、冬季はインフルエンザの危険度を表示する(図2)。
また、過去データの分析(計測値のCSV出力が可能)や、アラート発生・復旧メールの通知(閾値を設定)により、利用状況に合わせた予防行動が可能となる(図3、図4)。
本サービスの利用により、学校・運動場・体育館・工事現場・工場・イベント会場・オフィス・商業施設などにおける熱中症・感染症対策が可能となる。

効果/期待される効果等

夏期の建設現場やトンネルの工事現場などでは、計測されたWBGT値にもとづき、WBGTが上昇する時間帯の休憩の設定や、何分ごとに休憩するといった指示が出しやすくなる。また、涼しい時間帯や夜に作業を移動するなど、作業員の体調を加味した作業計画を立てることにより、熱中症対策を徹底することも可能となる。
学校では、WBGT値によって体育や部活動の中止を事前に決めたり、CO2濃度によって校内の換気を促し、感染症や熱中症の予防策を立てることにより、校内の環境管理を徹底することが可能となる。

Around Now!のサービス構成
図1 Around Now!のサービス構成
モニタリング画面(熱中症)
図2 モニタリング画面(熱中症)
グラフ表示
図3 グラフ表示
閾値を選択したアラート設定(左)と通知されるメール例(右)
図4 閾値を選択したアラート設定(左)と通知されるメール例(右)

脚注
(注)暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標をいう。
(環境省ウェブサイト:https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php)

ページトップへ