「令和3年度 気候変動適応研修(新任者コース)」の開催概要報告とアンケート集計結果報告

開催日 令和3年5月11日(火)13:30~16:00
場所 オンライン開催(Zoomミーティング使用)
主催 国立環境研究所 気候変動適応センター

地方公共団体等では年度単位でご担当者の異動が多いことに鑑み、地方公共団体や地域気候変動適応センターの新任担当者を主な対象に、地域における気候変動適応の推進にあたり必要となる基礎的な知識獲得や、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)の使い方等を習得できるよう、講義を主体とした研修を開催いたしました。
また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、Zoomを活用したオンラインでの研修実施といたしました。

令和3年5月11日(火)当日は、都道府県、市町村、地域気候変動適応センター等から約130名の方々にご参加いただき、事後アンケートには半数以上となる80件の回答をいただきました。
当日の研修概要と、アンケート集計結果の一部をご紹介いたします。

【講義1】では、国立環境研究所・気候変動適応センター(以下NIES・CCCA:National Institute for Environmental Studies・Center for Climate Change Adaptation)副センター長の吉川圭子より、「気候変動及び適応の基礎知識」をテーマに、気候変動の状況や将来予測に関する基礎知識、気候変動影響に関する国内の最新動向、適応策の考え方と省庁の取組、NIES・CCCAの取組紹介、国の気候変動適応法や国の適応計画と地域適応計画の関係や考え方、先進事例紹介等をお話ししました。

講義1の様子

質疑では、所属自治体庁内の適応関連取組に横串を通した統合的な推進体制の構築について相談にのってほしいとのご要望に対し、地域気候変動適応センターの定例会合での情報共有や事例紹介の機会・資料等の積極的な提供、先進的な関係自治体との仲介等について回答がなされました。

講義1の講義レベルに関して、アンケート回答者の8割以上から「適切」との評価をいただきました。

グラフ:講義1の講義レベルについて

講義1に関するアンケートコメントでは、おおむね、講義内容の分かりやすさ、講義レベルに対して好意的な声が多く寄せられました。
一部、情報量の多さや講義内容を理解するための時間的な余裕のなさ、専門用語の解説希望等のコメントも記載されていた一方で、講義内容のより深い掘り下げや詳細な説明等を求める声もあり、回答者がこれまで気候変動に関する予備知識に触れた経験の有無により、求める講義レベルや内容は異なっていたと考えられます。
今後、初学者向けには配布資料の早期共有による事前勉強の時間を確保する、より詳細な情報や知見を求める受講者には、適切なレベルの研修等への参加を案内する、参考となる解説資料等の案内を行うこと等で、これらのニーズに対応していきたいと考えます。

【講義2】では、NIES・CCCA気候変動適応戦略研究室の研究員・藤田知弘より、「国立環境研究所による地方公共団体等支援及び気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)の使い方について」をテーマに、実際のA-PLAT掲載コンテンツやWebGISの使い方等について、操作デモも交えながら解説を行いました。特に、気候変動適応担当の新任者が、業務への理解を深めるのに役立つコンテンツを紹介いたしました。

講義2の様子

質疑では、適応の取組を進めるにあたり、自治体が活用可能な国の補助金や支援制度等の情報をA-PLATにて一元的に紹介いただければ役立つとの声が寄せられ、それに対してNIES・CCCAが把握している個別情報等について提供すると共に、今後、A-PLATでの一元的な情報提供も検討していく旨の回答がなされました。
そのほか、今後のA-PLAT掲載コンテンツの充実に資するご提案や地域での適応情報発信に関する協力要請などの声も寄せられ、今後も地域とNIES・CCCAの協力関係を深めていくことについて活発な意見交換もなされました。

講義2の講義レベルに関しては、こちらもアンケート回答者の8割以上から「適切」との評価をいただきました。

グラフ:講義2の講義レベルについて

講義2に関するアンケートコメントでは、こちらも、おおむね講義内容の分かりやすさ、講義レベルに対して好意的な声が多く寄せられました。特に、A-PLATやWebGISの操作デモへの好評とともに、実際のA-PLAT掲載コンテンツやWebGISの使い方等について、更に詳細な情報や活用方法等への関心が高まった様子が窺えました。
本研修のオンライン形式での開催、開催時期、半日の時間設定について、アンケートではいずれも高い評価をいただきました。
また、アンケートでは本研修全体への満足度を評価いただく設問を設けましたが、回答者より「とても満足」「やや満足」合わせて約78%、「とても不満」「やや不満」の回答は0%との評価をいただき、おおむね高い評価をいただけたと考えられます。

グラフ:研修全体の満足度について

総じて、研修事後アンケートにおいては、研修内容について多くの方に好意的な評価をいただいた一方で、研修内容に追加を希望する項目やA-PLATの掲載情報充実へのご提案、研修の運営の工夫などについて、様々なご要望やご提案をいただきました。ご協力いただき誠にありがとうございました。
今回の研修が、地方公共団体等の新任者の皆様にとって、地域での適応推進や地域気候変動適応計画の検討・立案へのはじめの一歩となることを願っております。
NIES・CCCAでは、今後とも地方公共団体等の皆様からの要望を踏まえながら研修を企画して参ります。

(2021年6月9日掲載)

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