インタビュー地域気候変動適応センターVol.25 戸田市

戸田市気候変動適応センター

戸田市の地域特性、センター設置の経緯や組織体制についてお聞かせください。

戸田市は埼玉県の南部にあり、荒川を境に東京都と接し、街中の豊かな緑、戸田ボートコース、親子で遊べる広い公園や憩いの場など、水と緑にあふれる潤いのあるまちです。
センターを設置した経緯としては、気候変動適応法の施行により、市町村に対して地域気候変動適応センターとしての機能を担う体制を確保することが義務付けられたことが、検討を始めたきっかけです。気候変動の影響による自然災害や健康被害が近年深刻化している状況に鑑み、被害の回避や軽減を図るための取組である「適応策」を更に推進するために設置しました。なお、設置にあたっては、すでに埼玉県が設置していた「埼玉県気候変動適応センター」と戸田市で共同して設置しました。
当市の気候変動適応センターは、環境経済部長をセンター長とし、環境課環境政策担当の職員3名が業務の一環として取り組んでいます。

地域適応センターの活動内容について、現在取り組まれていることや今後予定されていることがあれば教えてください。

戸田市では、市ホームページ内で気候変動適応センターのページを開設し、県内の気候変動に関する情報や市の取組について、公表しています。
当市独自の取組としては、過去の熱中症搬送者数から分かる傾向などを公表し、熱中症への注意を呼びかけています。今後は、環境関連イベントなどを通じて、気候変動に関する情報の発信を行う予定です。また、今年度、環境省の「サブスクリプションを活用したエアコン普及促進モデル事業」に採択されており、この事業で得られた熱中症対策に関する知見について、有効活用できればと考えています。

戸田市で行っているWBGT測定の様子

庁内関係部局との連携や市、事業者の適応推進において工夫されている点や課題などありましたらお聞かせください。

当センターを設置してから1年が経過しましたが、どのような取組を進めていけるか手探りな状況にあるため、他課に協力をお願いし難いことが、庁内連携を図る上での課題となっています。
また、事業者への支援についても、ニーズを把握できておらず、何が最適なのか分からないことが課題となっています。

現在の業務に携わるやりがい、今後の展望をお聞かせください。

前例のない取組のため、正解が分からない不安はありますが、逆に新しいことをトライできることが魅力かと思います。実際、気候変動適応センターのホームページを開設したことで、過去の熱中症搬送者数から見える傾向、埼玉県の気温上昇の推移や強雨頻度の推移など、これまでに当課として発信していなかった情報の発信に取り組んでいます。
今後の展望としては、当市の地域特性に沿った取組の実施と情報発信を行うことが目標です。

この記事は2022年6月15日の書面による回答に基づいて書いています。
(2022年9月2日掲載)

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