おかやまオリジナルリンドウの普及

掲載日 2023年7月24日
分野 農業・林業・水産業
地域名 中国四国(岡山県)

気候変動による影響

これまでの年平均気温の傾向を見ると、岡山市では100年当たり1.3℃(注1)、津山市では50年当たり0.8℃(注2)上昇しています。また、猛暑日(注3)や、熱帯夜(注4)の日数については、1990年代以降特に多くなっています。

取り組み

岡山県では、県北部を中心に昭和 40 年代からリンドウの生産が行われており、西日本で最大規模の産地となっています(令和3年8.0ha)。しかし、夏期の高温な気象条件に適応した品種が少ないことや、連作障害対策が課題となっていました。

そこで、岡山県農業研究所では岡山県の気象に適した品種育成に取り組み、平成 22 年に「おかやま夢りんどう早生2号」と「おかやま夢りんどう中生」(図1)の2品種を育成し、苗供給体制を整備しました。「おかやま夢りんどう早生2号」は8月のお盆、「おかやま夢りんどう中生」は9月の彼岸向けの品種で、年による開花期の変動が小さく、リンドウ栽培にはやや気温が高い岡山県に適しています。その後も、6月から10月まで連続出荷するため新品種を育成し(図2)、現地適応性の検討や栽培実証を行っています。各品種には「おかやま夢りんどう」の統一した愛称を付け、販売促進を図っています。

さらに、これらの「おかやまオリジナルリンドウ」の普及を図るため、生産者を対象とした栽培技術研修会や実証ほの結果を踏まえた栽培啓発資料を作成、配布するなど、栽培を推進しています。また、JA全農おかやまと協力してPR資料を作成し卸売市場へ配布するなど、実需者へ向けたPRも行っています。

効果/期待される効果等

現地講習会の開催による技術普及の結果、おかやまオリジナルリンドウの栽培面積は令和3年には 1.9ha に達しています。特に、「おかやま夢りんどう早生2号」は強健で8月の需要期に出荷できる品種ということが生産者に高く評価され、この時期の主力品種として定着しています。

おかやま夢りんどう中生
図1 おかやま夢りんどう中生
(出典:岡山県農林水産総合センター 農業研究所 高冷地研究室)
おかやま夢りんどうシリーズの開花期(青花)
図2 おかやま夢りんどうシリーズの開花期(青花)
(出典:岡山県農林水産総合センター 農業研究所 高冷地研究室)

脚注
(注1)統計期間:1891~2021年
(注2)統計期間:1943~2021年
(注3)日最高気温35℃以上の日
(注4)日最低気温25℃以上の日

出典・関連情報

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